
車検の代車。乗ったのはH7式(当時15年落ち)走行11万5千キロの個体。えらい勢いでガタガタで、足回りはギシギシアンアン言うわ、マウントはヘタリ切ってアイドルでステアリングコラムがブルブルガタガタいうわ、アメリカ輸出される車なんだから10万マイル未満でこれはないんじゃないのと思う。でも昭和のくるまのようにダッシュボードがひん曲がったり割れたりすることもなく(エアコン吹き出し口のルーバーは割れていたが)、シートも小ぶりながらヘタってはおらず、エンジンもオイル管理がまずまずされていたこともあり非常に快調。1500cc 94psでシエンタの110psに負けているが、なにしろ900kg(シエンタ1210kg)の車重と4ATで気分的には相当速い。軽くブリップしてDに入れたらのけぞる加速を披露してくれる。タイヤがほぼ坊主でグリップしないのも速度感を助長しているのは間違いないが。ちなみにシフトレバーもヘタリ切って節度感は全くない。Dに入れようとして2に入ること多数。同じパワートレインのカローラバンE100系も10万キロ超えるとやはりそうだったのを思い出した。
バブル崩壊後のコストダウン厳しいころの一品。一応GOA世代(と思ったらマイチェン前なのでCIASだった)だがサイズがサイズだけにぶつかったらただでは済まなさそうな雰囲気。定価108万円というのは安いなあ、と思うがP/S P/WとマニュアルA/Cの三種の神器「のみ」で、あとはミラーも手動(電格どころではなく、調整もミラー面を直接手で押す(屋内側の手動レバーすらない)タイプ)。後付でSANYOのカセットステレオがついていた。27W×4のハイパワー、ロジックメカじゃないのがイカス。鍵もキーレスどころか、卵型TロゴのないTOYOTA印のがついていた。
エンジンルームをしげしげ眺めて、でかいデスビ、タイベル、アルミのヘッドカバー、前方排気、低いボンネットなど、変わってないようで今の車はずいぶん変わったものだと思う(ん?1NR-FEは前方排気か。2NZ-FEは後方排気だったぞ?ってそうか、1NR-FEは2SZ-FEと同じダイハツ製だったな、ややこしい。前方排気後方排気まぜこぜなのは初代ストリームのD17AとK20Aも一緒)。
ちなみにBH9は前方排気以外は全部EL53と同じだ。将来両者が遺跡で発掘されても同時代のクルマと判定するのは容易だろう。
横置きFF車は前方排気のほうが放熱に有利で高出力化で有利、居住性面(遮熱)でも有利だがエンジンの搭載位置が高くなる。後方排気は放熱が悪い反面熱効率を追求することになる。触媒の熱害が問題になる反面冷間時からの排ガス浄化性能に優れエンジン搭載位置が下げられるので衝突安全性と歩行者保護性能が高くなる。時代の趨勢は当然後者である。FF車ならエンジン回転方向=T/M取り付け方向さえ合わせておけば前方排気でも後方排気でもだいたい同じように乗る。前方排気はエンジンを前傾させて、後方排気は後傾気味に搭載するので厳密には最適ホイールベースと前軸重量が変わるが。横置きFFだけに積むなら前方排気から後方排気への世代交代はほぼプラットフォームの改造なしでイケル。
しかしダイハツSZ系はキャブオーバーのFR(S402系ライトエース)に積まれるし、スズキK12Bもモジュラー設計3気筒版のK6Aが同じくキャブオーバーFRのエブリィに積まれる。キャブオーバーFRで排気方向が変わってしまうと色々まずい。助手席側に倒して搭載していたのが運転席側に倒さなくてはならない(メンテフタも運転席側へ)、排気の取り回しが左右逆になってホイールベース間に搭載された燃料タンクも反対側に移設する必要がある。ほとんど聖帝サウザー様の如くプラットフォームをひっくり返さないといけない。過渡期の対策として両対応にしようものならV8搭載可能なエブリィなどという怪車が出来上がる。初代トヨタハイメディックのごとくプラットフォームを幹竹割りにして幅を広げないと無理だろう。(え、エブリィランディならできる??)FRでもキャブオーバーでないビーゴ(テリオス)やジムニーに積むだけならスペースに多少余裕があるからなんとかなりそうだが。
・・・なんて書いてたらスズキR06Aも結局前方排気のまま出てきた。しかも搭載には新プラットフォームが必須で、ジムニーなどには搭載不可なのでそれ用にK6Aが続投とな。ん?新プラットフォーム必須の理由はなんだろう。外観ではミッション取付面がJatcoのJF015E副変速機付きCVTとの組み合わせに特化したような大穴がついている、やじろべえ吊り式エンジンマウント、MRワゴン搭載状態で妙に内寄りのストラットタワーの間で幅方向にキチキチ、前後方向もやっぱりキチキチで搭載されているように見える。縦置きするにはミッション取付面がでか過ぎてバルクヘッドにめり込ませて搭載するのが大変そうに思えるのと既存のMTが取り付かなさそうとは思うが、はて。J24Bと同じく鋳鉄製ベアリングキャップになってコンロッドとの熱膨張比を合わせて騒音低減&ディープスカート化で剛性向上など面白そうなエンジンだが。
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