水曜日, 5月 21, 2008

Lancasterは古女房か?




値段の割にきわめて良くできており、全く心躍らせるところはないが、ごっつい安心感がある。
ずっと乗っているときわめてまっとうな空気のような存在でだんだん下らない欠点が目についてくるが、しばらく間を置いて乗ってみると「ええクルマやなぁー」と思ってしまう。Lancasterはそんなクルマ。

たっぷりしたストロークのサスペンションとスバルAWDの組み合わせは全く安定しきっており、へたっぴが少々乱暴に運転したところで全くどうということはない。つまらん。でも悪路、悪天候、緊急事態においてこれほど心強いクルマも少ない。

2500DOHC AVCSでたったの167ps、3速でカバーできる145km/hまでならそれなりに走るが150km/h以上では全く余裕がない。サーキットでの話?のレベルだからまあこれで構わないが、刺激は全くない。

何の変哲もない4ATは4速100Km/h巡航時に2400回転も回ってしまうが、それでもロングドライブではハイオクとはいえリッター14kmをコンスタントに叩きだしてみたり、たまに何かの間違いかと思うぐらい走ってしまうことがある。

アイドリング時はスバルサウンドというか、ぼこぼこと排気干渉が起き、しかも排気管廻りにガタが来ているのか結構でかいこもり音がする。うんざりしつつ走り出すと結構静か。クルマは静かが一番。そしてブン廻すとエンジン音がちょっと格好良く、それでいて排気音は静かで近所迷惑にもならない。日産のFM兄弟、VQ-HRを積むフーガとスカイラインV36もなかなかすっきりしっかりした乗り味で魅力的だが、ブン廻したときのエンジン音は踏んだ本人がビックリするぐらいでかい。音質は決して悪いものではないしスポーティと言えばそうだが、個人的にはもう少し静かでも良い。

椅子の座面はサイズはまずまずだが徐々にオシリが沈み込んで表皮が突っ張り、長く座ると疲れる。背ずりをもう2-3度立てたい。テレスコがついてなくてやっぱりハンドルが遠い。でも後にアウディが造形をまんまパクったインパネは使いやすく視覚的にすっきりしており、momoのウッドとレザーのコンビハンドルはでかく、握りが太く、持ちやすく、滑らず、感触良く、見た目が最高にオッサン臭く大変気に入っている。左足ブレーキが無理なく出来るのも良い。

マッキントッシュブランド(クラリオン製)のオーディオは決して高音質ではないが低域が充実しており、かといって音圧系のような下品さもなくあらゆるジャンルの音楽を楽しく聴かせてくれる。目くじらを立てればいくらでも立つが、ぼけっと聞いているとたまにオッと思わせる表現をすることがある。オルガンの音が好きで70-80年代の英国のハードロック、プログレッシブロック、NWOBHMをメインに聞いているが、イエス「究極」のとくに3曲目"Parallels"、あるいは渡辺貞夫1980年武道館"No Problem"なんかを大音量で聴きながらドライブするのは至福というほかない。おっさん過ぎる。

momoステとベージュのシートと並んでLancasterのおっさん臭さに寄与しているのがウッド調パネル。よくあるウォールナット柄ではあるがあえて明度、彩度とも抑えてあり、落ち着いた感じで造形的には明らかに本物ではないが本物の雰囲気は良くでている。カー用品コーナーに置いてある木目調カップホルダとか、アフターパーツのウッドパネルとか、ああいう胡散臭さが全くない。何故かトヨタは木目調パネルが壊滅的に下手なのだが。柄は精巧だが鮮やかすぎてかえってプリントの網点がよーく目立ってしまう。離れてみてもぼんやりモアレのようなパターンが感じられて気持ち悪い。視力2.0な奴が悪いのだと言ってしまえばそうだが。トヨタの本木目パネルも彩度が高すぎるように感じてしまう。実に惜しいぞ。レクサスLSのアッシュバールだけはお気に入りだが買えないぞ。

メータ+インパネ+ダッシュの造形はAudi各車に丸パクリされとるぞ。あっちのほうがカネがかかって見えるから丸パクリじゃないか。Audiみて「コレ欲しい」と思ったが、自分の車に戻ったら全く代わり映えしないことに気がついた。シート形状もVWみたいだ。

乗ってどっしり、もっちり感があり、視界が良く、見切りが良く、小回りも結構きき、後ろに乗っても椅子が高くて見晴らしが良く、キックアップルーフのワゴンのおかげでマジェスタのように天井に頭がくっつくこともなく、今や希少なサッシュレスドア。駐車場に止まっている姿もなかなか格好良い、と思うのは変態なのだろうか。ともかく地味に、ボディーブローのように良さが効いてくる、憎めない奴です。

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